明武舘では受け技の初動時に、
両腕を正中線上で交差させる事が大事です。
上段上げ受け、中段内払い受け、下段内払い受け、
手刀受け、後屈立ち弧受けなど、
受け技の初動時には必ず、自分の正中線を敵に向けつつ、
正中線上で両腕を交差させます。
明達先生は、
「正中線上にはあらゆる人間のツボ(急所)が存在し、
それをまず先に護るのが交差受けの目的」
と仰っておられます。
剛柔流の基本型・三戦において最初の動作である、
両手中段内受けが正にその動作です。
また最近、私が気付いた事があった。
剛柔流型「十八手(セーパイ)」の一番最初の動作で、
並行立ちから右足を軸に左肩を後方に捻りながら、
敵の中段突きを左肩を逸らす事でかわし、左掌底受け&捕手で敵の体勢を崩しつつ、同時に自分の右開手・抜き手を敵へ入れる技について、
単に左肩を後ろへ捻るだけであったなら、右軸足で左足を半回転させれば良い話。
ところが、明武舘の型・セーパイの初動は、
左足が一旦、右足へ接近させ、近づけた直後に一気に後方へ引き、四股立ちとなる。何故?なんでこんな動きになるのか?
私は十数年以来の謎だった。
つまり左足が半円を描いた場合、
自分の正中線が左側へ一気に外れ、
そこで隙が生じる事となり、相手の攻撃を正中線上で受けられなくなる。
なので、合理的な方法としては、正中線を真っ直ぐ前に保った
まま、体軸を左に捻るには、
左足が一旦、右軸足へ接近させ、そこから後方へ一気に下げる動作しかないのだ!