明武舘においての突きの基本は、
「真っ直ぐ後ろに引いて、前へ真っ直ぐ突く」です。
つまり上から見ると、正拳・肘関節・肩関節が一直線に
並びます。
斜め内側への“正中線”へは決して突きません。
これは上・中・下段突き全てに共通した動きです。
突きは相手の正中線上へ突くと思い込んでいた、
初心者の私には全く理解出来ませんでした。
物理専門家に言わせると、
〔圧力〕=〔面にかかる力[N]〕/〔力のかかる面の面積[m2]〕
つまり、
「圧力面の面積を小さくすれば、圧力は倍になる」との事。
結論としては、
正拳が当たる目標にいかに力を集中させられるか?です。
仮に正中線への内側斜め方向へ突いた場合には結果として、
突きの威力が下がってしまう訳なのです。
例えば、お寺の釣鐘を突く撞木(しもく)の動き・・
目標物へ当たる面と、
その反対側の面がほぼ一直線である事が解ります。
また、時代劇などで武家屋敷の門扉を破壊する丸太
(破城槌・はじょうつい)もまた同じ原理と言えるでしょう。